今週のおすすめ

今日もどこかで誰かが恋をして、愛を育んでいる。
そんな何気ない日常を切り取ったBL小説短編集です。
朝から夜までの風景の中に、8つのお話が詰まっています。

恋人と過ごす何気ないいつもの朝。
早朝のジョギングで知り合った二人の恋。
学校での昼休みや、会社の先輩と過ごすランチのひととき。
雨の日の放課後に好きな子と帰ったり、バンド練習に向かう男子高校生二人の電車内の会話だったり。
取引先との夜の花見を切っ掛けに突然デートをすることになったり、そして――……

劇的な何かがあるわけじゃないけれど、彼らはどこか近くに居て、そっと想いを抱えて生きている。
互いに愛を伝えあって、幸せな日々を過ごしている。
彼らの何気ない日常の断片を、どうぞ見守ってください。

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≪簡単なあらすじ≫

・君の声で目を覚ます・
大好きな年上の恋人の声で、目を覚ました。
朝の仕度をしながら今日の夕飯はどうするかなんて話をして、先に家を出る恋人と朝の儀式をして見送る。
そんな何気ない、日常の風景。

・ジョギングコース・
いつも爽やかな笑顔で挨拶をしてくれる彼。僕は、この彼と走る朝が好きだ。
初めて声を掛けてくれた時、夏の早朝に感じる風が気持ちいいことを教えてくれた。
わりとネガティブな僕を笑顔にしてくれる。そんな彼に、惹かれていた。
しかしある日、彼の口からとある女性との結婚を決めたと告げられて……

・おべんとうを褒めてくれただけ・
僕はいつも、同じ家政部の女子二人とお昼ご飯を食べている。
妹のために朝作るお弁当と一緒に自分の分も詰めるので、毎日かわいいキャラ弁。
それをクラスの男子はいつも陰で茶化してくる。
別に気にしていない、そう自分では思っていたけれど……
ただ一人だけ、僕のお弁当を褒めてくれる男子がいた。

・デザートにパフェ・
会社の先輩は、パフェが好きだ。
特に最近は、会社から離れた商店街にあるレストランのパフェがお気に入り。
普段はスーツをビシッと着こなして、『ザ・デキる男』といった印象なのに、実はイタズラっ子でドジっ子な可愛い一面も持ち合わせている。
こんな魅力溢れるハンサムおじさんに、俺は……

・雨の日の帰り道・
放課後になって昇降口へ出ると、雨が降っていた。
傘を持っていなかった俺が立ち往生していると、偶然にもクラスの男子が校内から出てくる。
その彼はいつも可愛いキャラ弁を作ってきている、俺の、好きな人。
傘を持っていた彼と帰る、駅までの短い、幸せなひととき。

・そのままでいいのに・
毎週月曜日と金曜日は、バンド仲間と電車の中で待ち合わせ。
高崎で待つ他のメンバーのもとへ、渋川から乗ってくるボーカルの男と共に向かう。
期末の話とか、クリスマスライブに何を歌うとか、そんな何気ない話をしながら過ごす、俺らの夕方の風景。

・春、花見を君と・
僕は、大人数の場所が苦手だ。それなのに、今年は取引先の設計事務所さんと花見をすることが決まってしまった。
取引先の社長さんに絡まれ、その場で繰り返す愛想笑い。
お酒が無くなってきたタイミングを口実に、僕はその場から逃げ出した。
すると、後を追い掛けてきたらしい取引先の男性から、声をかけられた。
名刺交換をして知る、呼び名が違う、同じ漢字の名前。
彼に誘われ二人っきり花見をするために、僕らは浅草寺の境内奥へと向かった。

・家庭のにおい、君の待つ家・
マンションの廊下を歩きながら、香ってくるお肉の焼けるような匂いに、鼻をスンと啜ってみる。
年下の恋人がハンバーグを焼いているのかもしれないと思うと、心が躍る。
今日は、大切な二人の記念日。
だから今日、俺は彼に一大決心を告げようと思う。
彼の好きなケーキと、指輪を持って。

 

cover

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